試合中にチェックするポイントがわかると試合がもっと楽しくなる!【組技編】
こんにちは、ロジカルMMAです!

今回は「観戦力を養おう!」講座の第三弾で、前回に続き「試合中のチェック」のvol.2です。
「試合中のチェック」のVol.1では試合中全般について書きましたが、今回のVol.2ではグラップリングに着目します。
※前回:「試合中のチェックポイント vol.1」はこちら↓

グラップリングは「組技」と「寝技」に分類できますが、今回は「組技」に絞って見どころを解説していきます。
「組技」の見どころはさらに以下のように分類できます。
- レスリングのタックルのように「組み付く瞬間の攻防」
- 柔道・相撲の四つ組のように「組んだ状態の攻防」
「組み付く瞬間の攻防」におけるチェックポイント

組み付く瞬間
- 打撃戦ができていない状況でのタックルはダメ!
- 打撃戦の体勢のまま組み付ける選手は強い!
チェック1:打撃戦ができていない状況でのタックルはダメ!
「組み付く瞬間」の攻防における大事なポイントは、いかに相手に悟られずに組みにいけるかです。
例えば打撃戦で優位に立っていれば、相手は打撃に意識が行って組みへの意識が疎(おろそ)かになるため、タックルが決まりやすく(組み付きやすく)なります。
しかし、実際の試合でよくあるのが、打撃戦で全く歯が立たず不利な状況に立たされ、次の手としてタックルに行ってしまうパターンです。
打撃戦で優位に立っている相手からすると、余裕があるため組みへの意識も確保できているので、タックルへのディフェンスができやすいのです。

打撃戦ができていない状況でのタックル

言い換えれば、打撃戦で渡り合えないとタックルは決まらないということです。
現代MMAファイターは、グラップラーであっても打撃もバリバリできるのはこのような理由です。
是非タックル前の打撃戦に注目してください。
チェック2: 打撃戦の体勢のまま組み付ける選手は強い!
「組み付く瞬間」としてタックルを例に挙げましたが、タックルというタックルではなく打撃戦の中でいつの間にか組み合った状態に持っていけるファイターがいます。
これができる選手は大体強いです。

打撃戦の体勢のまま組み付く
タックルだとどうしても打撃からの移行に時間がかかりディフェンスされてやすいのですが、打撃戦からの自然な組み付きは打撃から体勢を変える必要がないため、時間もかからないし警戒もされにくいのです。
少し難しいですが、タックルではない組み付きに注意してみてください。
「組んだ状態」のチェックポイント

組んだ状態
- ロープ(ケージ)に押し込めれば次の展開に繋げやすい
- 倒そうとしている選手の方が疲れる
チェック1: ロープ(ケージ)に押し込めれば次の展開に繋げやすい
まず「組んだ状態」からどのようにすれば勝利に近付けるかを考えましょう。
「組んでから倒す」、「組んでから背後に回る」、「組んだまま殴る、蹴る」、「組みをやめて打撃戦に戻す」等、色々なパターンがあります。
これらを全て選択するために必要な条件、

それはロープやケージを背負わない(押し込まれない)ことです。
ロープ(ケージ)を背負ってしまうと身動きが取りにくいため、自分のやりたい展開に移行するのが困難となります。

ケージに押し込んでいる状態
試合でもよく片方の選手が相手選手をロープやケージに押し込むシーンがありますが、押し込むこと自体には攻撃性はありませんが、前述したいろいろな展開を「選択できる」ことに価値があります。
ですので、ロープやケージに押し込める状況、もしくはそのような選手は優位に立っているといってよいでしょう。
チェック2:倒そうとしている選手の方が疲れる
もう一つ重要なポイントがあります。
それは、「組んだ状態」から倒そうとしている選手の方がスタミナロスすることです。
当然、倒しきれれば優位に立てるのですが、倒そうとしても相手に粘られる展開が続くとスタミナロスが蓄積し疲弊していきます。

組んだ状態から倒そうとしているが倒れずスタミナロスする状態
オフェンス側の方が有利に見えますが、「組んだ状態」においては必ずしもそうではなく、長い目で見るとオフェンス側の方がスタミナロスし、最後はバテてKO負けというパターンは多々あります。
倒せないのに粘りすぎていないかチェックしてみてください。

以上、「試合中のチェック【組技編】」を紹介しました。
完全に好みの話になりますが、僕は断然「組技」の展開が好きですし、組技に最もMMAを感じます。
小学生の頃、ボクシングやキックボクシングの試合でガッチリ固まってガードをしているのを見て、「掴んで倒せればいいのに」とよく思ったものです。
そんな中、修斗で打撃の打ち合いから組技へ移行する展開を見て
「これだ!!!」
と興奮したのを覚えています。(この記述が全くロジカルでないことは認めます(笑))
次回はグラップリングの「寝技」にフォーカスして説明していきます。
それでは明日もロジカルに!
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