【試合分析】2020/12/31 RIZIN.26「萩原京平vs平本蓮」

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RIZIN.26「萩原京平vs平本蓮」 試合の見どころ

こんにちは、ロジカルMMAです!

え?今さらー??と思われるかもしれませんが、2020年の年末に行われたRIZIN.26の観戦記をロジカルにまとめていきます。

今さら?古くない?

という指摘に対しては、

ロジカルMMA
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ドB型の僕は無類の強さを持っています(バックポジションを取られたときの宇野薫選手ぐらい)ので構わず進めていきますね(笑)

それでは早速ですが、今回はRIZIN.26で行われた「萩原京平vs平本蓮」の一戦です!

この試合、レベルはともかく「裏メインイベント」とも位置付けられているほど注目を集めていた一戦だけあって、試合後は格闘技ファンのみならず多方面からコメントが飛び交って盛り上がりました。今さら書くことなんてないのでは?と思う方もいるかもしれませんが、それを覆して独自の観点で分析することが僕の存在意義だと思ってます。

まず、しっかり観戦していない方のためにこの一戦の見どころを説明しておきます。

萩原京平選手・平本蓮選手の経歴

萩原選手は地下格闘技出身(要は喧嘩自慢系)で顕著な実績がないままRIZINに大抜擢され2勝1敗の成績を残していますが、全てKOもしくは一本で決着しており良くも悪くも分かりやすい試合をする選手です。

萩原京平

萩原京平選手

一方、平本選手は高校生の頃からK-1で実績を積み上げ、K-1チャンピオンクラスと言っていい実力を持った選手ですが、これがMMAデビュー戦です。

平本蓮

平本蓮選手

両者(特に平本選手)が試合前から激しく挑発し合ういわゆるトラッシュトークが盛り上がり、両者の実績からは考えられないくらいの注目を集めた試合となりました。
技術的には、萩原選手は良い打撃を持っているが、平本選手が打撃のエキスパートということもあって、萩原選手がMMAならではの投げ技、寝技を仕掛けるのかというところが大きな焦点となっていました。

試合展開は、1Rから萩原選手がタックルで平本選手を寝かし、終始パウンドや寝技で攻め立てる展開。その流れは2Rになっても変わらず、萩原選手がパウンド連打でTKO勝ちしています。

この試合の見どころを僕なりに4つを挙げます。

萩原京平vs平本蓮 4つの見どころ

 

試合の見どころ
  1. 「打」「投」「極」の散らしによる技の有効性向上
  2. 頭のスタミナの消耗
  3. 接待スパー
  4. 平本選手の評価

 

1. 「打」「投」「極」の散らしによる技の有効性向上

まず「打」「投」「極」(だとうきょく)とはMMAを構成する技術体系で、「打」は打撃、「投」は投げ技、「極」は極め技(関節技や絞め技)で、当然ですがキックボクシングには「打」はあっても「投」と「極」はありません。
キックボクシング出身の平本選手には「打」だけでなく「投」「極」を散らしていくのが有効であることは誰でも分かります。にも拘らず萩原選手は1R開始一発目で強烈な「打」、右ストレートを放っていきます。これはクリーンヒットこそしませんでしたが、ある意味、これで右ストレートの役目は完了で、平本選手の思考回路に右ストレートの印象を見事に叩き込んだのです。これで平本選手は萩原選手の右ストレートを気にしながら動くことを余儀なくされました。
「打」に見せかけて「投」や「極」を仕掛けやすくし、その刹那の有効性を高めることが「打」「投」「極」の散らしの効果なのです。
これはMMAのセオリーの一つではありますが、キックボクシングトップクラスの実力を持つ平本選手に開始一発目で強烈な「打」ができたのは、萩原選手の度胸、作戦遂行能力の高さと言えます。けん制程度のローキックとかじゃなかったのが良かったですね。

2. 頭のスタミナの消耗

1.で説明した「打」「投」「極」の散らしには、「頭のスタミナ」を削るという効果もあります。
頭のスタミナとは要は集中力の持続性のようなものです。「打」なのか「投」なのか「極」なのか、次に何が来るのか分からないことに頭のスタミナを使うことを強いられ、徐々に頭のスタミナが削られていきます。こうして平本選手は判断力がなくなり作戦通りの動きができなくなって、状況が悪化してしまう。
平本選手も試合後にこう振り返っています、「テンパっちゃって」「無駄な動きが結構あって」「スタミナロスした」これは「打」「投」「極」の散らしによって混乱したことによって、体も頭もスタミナを消耗させられたのでしょう。

3. 接待スパー

この試合でどうしても触れておきたいのが”接待スパーについてです。
接待スパーとは、RIZINのエース選手である朝倉未来選手がこの試合を振り返った際に平本選手の練習方法に対して使った表現です。
平本選手は、GENという日本の重量級MMAトップクラス選手が参加するチームで練習を積んできましたが、MMA初心者の平本選手がレベルに雲泥の差があるGEN所属選手と練習しても、手加減されて(=煽てられて)いて、結果MMAのレベルをあげることができなかったであろうという状況を、”接待スパー”と揶揄したものです。これは少し大げさな表現ではありますが真実を捉えた発言と思います。

また僕も的のド真ん中を捉えたコメントだと思っているのですが、朝倉選手はこうも続けています。「等身大の自分を分かっていない。」つまり、自分より遥かに重い選手、強い選手とのスパーでは、負けて当然と思ってしまうため、倒れ際、技の極まり際等のいわゆる「際(きわ)の攻防」で100%の力を発揮できなくなるのです。自分より遥かに重い選手、強い選手とのスパーよりも、自分と同等もしくは僅かに弱い選手とやる方が圧倒的にキツいのです。
そしてレベルの差がある選手との練習を繰り返すことで、以下に記す「二つの勘違い」が芽生えています。

  • 第一の勘違い:
    これだけ重い選手、強い選手と練習しているのだから自分もそれに近付いているだろうという勘違い
  • 第二の勘違い:
    試合だったらもっと軽い選手、弱い選手のはずだから試合ではうまくいくだろうという勘違い

実際この一戦で平本選手は際の攻防で全て競り負けています。なお、現在のMMAではこの際の攻防が重要度を増しており、ここで競り勝てるか否かが勝敗を決することもよくあるので、試合で勝つには勘違いのない適切な環境下で練習を積むべきであるというのが僕の見解です。

4. 平本選手の評価

この一戦における一般論は、平本選手はMMA初戦で通用しなかったというものであり、僕もそうでしかないと思っています。
しかし一方では、平本選手のセンスや伸びしろに期待できるとのコメントも出てき始めています。よく見ると実は平本選手がパンチや膝を当てていたとか、テイクダウンされたものの粘っていた等という見方からです。
でもパンチや膝を当てられることは萩原選手も想定していたことだし一発ももらわずに勝とうとは絶対思っていないし、テイクダウンは一発でスパッと決まらないのがMMAの実情です。
ですので僕はこの一戦は平本選手の完敗以外の何物でもないと思っているし、伸びしろがある可能性もありますが今のところは全く期待できないと考えています。

以上、今回はごくキャッチーな試合を取り上げましたが、今後は少しマニアックな試合にもフォーカスしていきたいと思います。

それでは明日もロジカルに!

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