【試合分析】ONE on TNT Ⅰ:エディ・アルバレスvsユーリ・ラピクス

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ONEonTNTⅠ注目試合の3つの問題点

こんにちは、ロジカルMMAです!

ロジカルMMA
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先日シンガポールで行われたONEonTNTⅠから

気になった試合をピックアップしてお伝えします。

その前に今回のONEonTNTの位置付けをお話しておきましょう。

母体はアジア最大級のMMA&キック興行のONE Championship(以下、ONE)ですが、
そのONEがアメリカのテレビ局TNTと提携して、アメリカのゴールデンタイムに4週連続で生中継する興行(ONE on TNT Ⅰ~Ⅳ)です。
この「ONE on TNT」は、「アジア最大級」のONEが「世界最大級」のMMA市場であるアメリカに進出するための重要な挑戦と言えます。

そんなONE on TNTの第一弾が2021年4月8日に行われましたが、「エディ・アルバレス vs ユーリ・ラピクス」で起こった事故に着目しました。

試合展開

エディ・アルバレスは日本でも活躍し「元BELLATORチャンピオン」であり「元UFCチャンピオン」で、その豪快に殴り合うスタイルで世界的にも人気のあるファイターです。

エディ・アルバレス

エディ・アルバレス選手

一方のユーリ・ラピクスは生粋のONEの選手で15戦14勝1敗というほぼパーフェクトなレコードを記録しているファイターですが、世界的な強豪との対戦がないため今回は試金石的な位置付けと言えます。

ユーリ・ラピクス

ユーリ・ラピクス選手

試合は1R早々からエディ選手が圧力をかけテイクダウンに成功しトップポジションからユーリ選手の側頭部当たりを殴り続けますが、ここでなんとレフェリーが突然試合をストップしエディ選手の反則負けが言い渡されました。
反則の理由はエディ選手が放った「後頭部への攻撃」です。
確かにエディ選手は耳の後ろ辺りを殴っていますが、この裁定には3つの大きな問題点があります。

3つの問題点

一つ目は、レフェリーが一度も注意することなく一発ストップしたことです。
後頭部という曖昧な部位設定は戦っているファイターには判断しにくいため、少なくとも一度はレフェリーが注意を入れるのが普通です。
二つ目は、他のほとんどの試合ではこの攻撃は許容範囲内として流しています。頭の真後ろの完全なる後頭部への攻撃は確かに危険だしストップが掛かってもおかしくありませんが、今回のように側頭部と後頭部の境界付近への攻撃は流される場合の方が多く、エディ選手も過去の経験からこれはOKと判断した上での攻撃だったはずです。
そして僕が最も言いたかった三つ目は、ユーリ選手が敢えて後頭部しか殴れない状態をとっていたことです。「後頭部への攻撃」の定義は「耳にかからない攻撃」とされていますが、ユーリ選手はあからさまに耳だけを手で覆っていたのでエディ選手の攻撃は全て「後頭部への攻撃」と判断されてしまうのです。これはルール通りと言えばそれまでですが、ルールの抜け穴を利用することでMMAの攻防を妨げかねない行為でもあると思います。MMAは格闘技ですから戦う意志なく成り立つものではありません。

後頭部打撃

耳を覆うユーリ選手

こういった事例は昔からあることで、2006年の「HERO’s」で行われた「宇野薫 vs ブラックマンバ」の一戦でも同様な事象がありました。
宇野選手がグラウンド状態、マンバ選手がスタンド状態の中、宇野選手が自らハイハイのような四つん這いポジションをとりました。
HERO’sでは四つん這いの相手への顔面キック、膝蹴りが禁止されているので、マンバ選手が宇野選手を攻撃する場合、しゃがみこんで宇野選手を殴るという極めて非効率な攻撃方法しかありません。これもルールの抜け穴を利用した戦術であり、当時「格闘技の試合中にハイハイか。。」と興覚めしてしまったのを覚えています。

四つん這い

自ら四つん這いになる選手の例

今回は先日行われたONE on TNTで見受けられた「ルールの抜け穴を利用した戦術」を紹介しましたが、皆さんはどう感じたでしょうか。
NHB」、「ヴァーリトゥード」から「MMA」に進化を遂げ競技性が向上したように、競技はルールの発展とともに歩んでいくものですがファイターやレフェリーの自覚や判断に委ねられる部分も多く、関係者が今後の競技の発展に取り組んでいくことが大切だと考えています。

それでは明日もロジカルに!

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