全米へのチャレンジONE on TNTシリーズ終盤戦
こんにちは、ロジカルMMAです!

2021年4月29日シンガポールで行われたONEonTNTⅣから気になった試合をピックアップしてお伝えします。
ロジカルMMAが注目した2試合
青木真也 vs エドゥアルド・フォラヤン

左)青木真也・右)エドゥアルド・フォラヤン
これが3度目の対戦となるこのカード。
1度目はフォラヤン選手KO勝ち、2度目は青木選手一本勝ちの1勝1敗で、この3度目の対戦を迎えました。
ともに37歳と円熟味を増し高度なテクニックの応酬が期待される一方、青木選手は3連勝中でグラップラー、フォラヤン選手は2連敗中でストライカーと立場は大きく異なる両者です。
試合は1R早々、フォラヤン選手がキレのある打撃で牽制しますが、その後は青木選手が左ミドル等でフォラヤン選手をケージ際に追い込み、素早いタックル→組み付いてテイクダウン→マウントポジションからのパンチ、肘連打→腕ひしぎ十字固めで一本!
という青木劇場で幕を閉じました。
とにかく横綱相撲とでも言いたくなるような青木選手の理想のフルコースでしたが、テイクダウンが秀逸でした。
組み合いの中で、一度青木選手がフォラヤン選手にコアラのように抱っこで組み付きますが、フォラヤン選手はそのコアラから離れようと後ろ向きに重心をシフトします。
そのタイミングに合わせて青木選手がコアラを解除して外掛けでテイクダウンしました。
青木選手としてはコアラ状態で仮にそのままテイクダウンを奪われて下になってもそこから如何ようにもなるため、コアラのよう組み付かれた時点で青木劇場にハマっていたわけですね。
本当にアッパレとしか言いようがない勝ち方でした。
エディ・アルバレス vs オク・レユン

左)エディ・アルバレス ・右)オク・レユン
エディ選手は元UFCのバリバリトップストライカーでONEに移籍しましたが、前戦(参照:【試合分析】ONE on TNT Ⅰ:エディ・アルバレスvsユーリ・ラピクス)では力を発揮する前にノーコンテスト(無効試合)となってしまいました。(前記事の段階ではエディ選手の反則負けでしたが、その後ノーコンテスト裁定に覆っています。)
一方のオク選手は韓国人ファイターで3連勝中ではありますが、エディ選手ほどの強豪との経験はなくエディ選手有利の声が高い状況でした。
試合は1Rからエディ選手がスタンドで圧力をかけていきますが、スタンドの攻防の中でオク選手のパンチがヒットし、そこからエディ選手がダウンしオク選手がグラウンドで上からパウンドの雨を降らせます。
レフェリーによってはこの時点でレフェリーストップをかけても全くおかしくない状況でした。
その後、2R,3Rはダメージが抜けてきたエディ選手が反撃に出ますが、有効打をあまりヒットさせることができずオク選手の判定勝ちとなりました。
試合はさておき、気になったのはエディ選手のスタイルの変化です。
元々ストリートファイト上がりということもあり、殴り合い上等でたまにタイミングよくタックルを織り交ぜるようなファイトスタイルだったと記憶していましたが、今回は2,3Rとにかく相手にねちっこく組み付きそこからケージレスリングで削っていくことを繰り返しました。
つまりKOを狙うというよりは削り合いの展開に持って行って最終的に根性勝ちを狙っているように見えました。
言ってみれば37歳(2021年4月時点)というMMAファイターとしては高齢であることにより、良くも悪くも一発KO狙いでなく引き出しを増やして総合力で勝ちを狙いにいくというスタイルにチェンジしているようです。
しかし直近5戦では1勝3敗1無効試合と、負けが込んでいるうえに4試合でダウンを奪われている通り、全盛期を過ぎているように感じます。
だからこそ、次戦は強豪とのファイトでエディ・アルバレスここにありを見せてほしいとも思っています。
今回はONE on TNT Ⅳの気になる試合をピックアップして紹介しました。

ちなみに今大会を持って全米へのチャレンジであるONE on TNTシリーズが幕を閉じます。
激闘、大番狂わせ、反則等、話題性のある試合も多数あったこのシリーズでしたが、果たして全米の反応はどうだったのか、そして今後アジア最大級のONEがどう舵取りしていくのか非常に気になるところです。
それでは明日もロジカルに!
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