スペシャルワンマッチ 注目4試合予想!!
こんにちは、ロジカルMMAです!
前回のRIZIN.29から約3ヶ月空いて、9/19(日)に待望のRIZIN.30(@さいたまスーパーアリーナ)が開催されます!
キック含む全10試合がラインナップされていますが、

僕が気になっている8試合について試合予想をしていきます!
これまでのRIZIN.28、29の大会構成と同様、今回のRIZIN.30も前半は「スペシャルワンマッチ」(6試合)、後半は「バンタム級(61.0kg以下)トーナメント」となっています。
特に注目の「バンタム級トーナメント」は元々16人が参加していましたが、RIZIN.28、29の激闘を経て8人まで絞られています。RIZIN.30で8人から4人に絞られ、さらに大晦日の興行で優勝者が決定する流れが決まっています。
今回はスペシャルワンマッチ4試合の予想を書きます。
バンタム級トーナメント4試合の予想は後日アップします!
それではワンマッチ予想を始めます!!!!
フェザー級(66.0kg以下)スペシャルワンマッチ
昇侍(しょうじ) vs 鈴木千裕(すずきちひろ)

昇侍選手 vs 鈴木千裕選手
両者ともにストライカー対決です!
昇侍選手(38)はMMA戦績32戦17勝14敗1分のストライカーです。
2005年にパンクラスでプロデビューし当時は最強クラスの打撃力を誇りKOの山を築いてきました。
なお1R開始直後に飛び膝蹴りをヒットさせ、なんと3秒KOの記録を持っています。

パンクラスでの昇侍選手の飛び膝蹴り
伝説の山本KID徳郁選手の4秒KOよりさらに早く、恐らくMMA史上最短勝利記録の持ち主です。
近年では得意の打撃戦でも打たれ弱さが祟(たた)ってKO負けもし始めて当時の勢いはないと言えます。
一方、鈴木選手(22)はMMA戦績7戦5勝2敗のストライカーで、日本とペルーのハーフの選手です。
また、MMAファイターであるとともにキックファイターでもあり、キック戦績は11戦10勝1敗、10勝のうち8勝がKO勝利、さらにここ5試合は5勝、5KOとかなり打撃のノリは良い状態にあると言えそうです。

キックボクシングでの鈴木選手
ストライキングスキルでは鈴木選手の方が上ですが、かと言って昇侍選手がグラウンドに活路を見出すような気質ではないのとグラウンドスキルも高い方ではないので、バチバチの打ち合いになる可能性は高いです。

ストライキングスキル、打たれ強さ、ともに鈴木選手が上回ると考え、鈴木選手のKO勝ちと予想します。
太田忍(おおたしのぶ) vs 久保優太(くぼゆうた)

太田忍選手 vs 久保優太選手
”オリンピック銀メダリストvs元K-1王者”というこれ以上ないキャッチーな一戦、当然、グラップラーvsストライカーの構図で、各々の武器は紛れもなく一級品です。
太田選手(26)はMMA戦績1戦0勝1敗のトップレスラーで、リオデジャネイロオリンピックレスリング銀メダリストです。

オリンピックレスリング銀メダリストの太田選手
デビュー戦となった前戦では所英男選手相手に持前のフィジカル、レスリングの強さは見せたものの、腕ひしぎ十字固めで一本負けを喫しています。
これまでも一流のアスリートや他競技選手がMMAに参戦した際、持前の技術・フィジカル等の特長を発揮するも最後は負けというパターンは多々ありました。
太田選手も同じで次戦でどう勝ちに繋げるかが最大のポイントになってきます。
また太田選手のレスリングの種目はグレコローマンスタイルです。
簡単に言うとフリースタイルと異なってタックルのように下半身に組み付くことが禁じられており、立った状態で組んで投げ合う種目です。
だからと言ってタックルが全くできない訳ではありませんが、やはり最大の武器はタックルではなく、”立った状態での組みつき→投げ”になるため、パンチの打ち合いになり顔面への打撃を受けてしまう可能性が高いです。
一方、久保選手(33)はMMAデビュー戦となるストライカーです。
K-1の言わずと知れたコンプリートファイターであるとともに、頭脳派ファイターとしても知られています。

K-1での久保選手
ちなみにキック戦績は61戦49勝10敗2分と勝ち星が多く、K-1ウェルター級(67.5kg以下)でチャンピオンとなって3度の防衛を果たした状態でキックを離れています。
レスリングvsキックというこの上なく分かりやすい構図である他、注目は今回フェザー級(66.0kg以下)契約ということが有利になると考えられます。
太田選手のレスリング時代の主戦場は59.0kg以下であるのに対して、久保選手のK-1時代の主戦場は67.5kg以下と、10kg近く本来の階級に差があるということです。
計量では恐らく両選手ともに契約の66.0kgに合わせてくるはずですが、久保選手に身体的アドバンテージがあるのは間違いないでしょう。(”【ロジカル講義】ちゃんと答えられる人は少ない!?減量の目的とは”参照)
さらに久保選手は宮田和幸氏率いる強豪ジム「BRAVE」をメインの練習場としています。
「BRAVE」は宮田氏を始めレスリングの強い選手が多く、太田選手対策を万全にしてくることは容易に想像できます。
このため太田選手は久保選手に対して簡単にはテイクダウンをとることはできないかもしれません。
しかしMMAは5分3R、一度のトライで決まらなくても二度目、三度目のトライを仕掛けるチャンスはあります。
多少のダメージは負うかもしれませんがしつこく仕掛けていれば少なくとも一度はテイクダウンをとれると見ています。
逆に久保選手はテイクダウンを切りつつ打撃を入れる必要がありますが、打撃を入れる度に組み付かれ次第に疲弊するとともに思い切った打撃が放てなくなり、太田選手が徐々に試合を支配するのではないかと見ています。

当日の体格差がどれほどかが読めないところはありますが、太田選手の判定勝ちと予想します。
佐々木憂流迦(ささきうるか) vs 堀江圭功(ほりえよしのり)

佐々木憂流迦選手 vs 堀江圭功選手
グラップラーvsストライカー、さらに元UFCファイター同士の対決で、ハイレベルな攻防戦が予想されます。
佐々木選手(31)はMMA戦績33戦23勝8敗2分のグラップラーで、元UFCファイターです。

UFCに出場した佐々木選手
UFC戦績は9戦4勝5敗と負け越してはいるものの世界最高峰のUFCで9戦こなすだけでも日本人MMAファイターとしては偉業と言えます。
さらにMMA戦績では23勝のうち12勝はスリーパーホールドで勝利を収めており、バックに回る動き、バックキープ、バックからの極めに優れた選手です。
気になるのは、今回のフェザー級(66.0kg以下)に近い階級で戦っていたのはかなり昔の話で、ここ最近は一つ下のバンタム級(61.0kg以下)を主戦場としており、フェザー仕様に仕上げられているかが大変気になります。
177cmとバンタム級としてはかなりの高身長でアドバンテージを得ていた選手です。
過度な減量から解き放たれてパフォーマンスが上がるのか、もしくはフェザー級に階級を上げたことでこれまでの身長、リーチのアドバンテージを活かせなくなるのか次第かと見ています。
一方、堀江選手(26)はMMA戦績13戦10勝3敗のストライカーで、元UFCファイターです。

UFCに出場した堀江選手
元UFCファイターと言ってもUFC戦績1戦0勝1敗と1試合のみの経験となっています。
10勝のうち6勝がKO勝ちという戦績からも分かるように一発のあるストライカーです。
UFCリリース後は判定勝ち、スプリット判定負けを経験していますが、この手のストライカーが判定まで削り合う試合、さらにスプリット判定というギリギリの試合を経験することはかなりプラスと考えています。
フルラウンドを経験することで試合中の組み立て方とともに、苦しい展開の中での勝ち方を学ぶきっかけとなるからです。

実力者同士の一戦は、堀江選手の若さ、近年の引き出しの広がりが、佐々木選手のテクニックを上回ると見ています。
また佐々木選手のダメージの蓄積、階級アップによる悪影響などを考慮した結果、堀江選手のKO勝ちと予想します。
一つ前の太田選手vs久保選手にも言えることですが、階級を上げた下げた直後の試合は選手の仕上げによるところが大きいためあまり予想が乗り気ではないのですが仕方ないですね。。。
(でも外した場合、それを言い訳にできるから逆に美味しい?とも思いつつ。。。予想士失格ですね(笑))
ライト級(71.0kg以下)ワンマッチ
武田光司(たけだこうじ) vs 矢地祐介(やちゆうすけ)

武田光司選手 vs 矢地祐介選手
(グラップラーよりの)オールラウンダーvs(ストライカーよりの)オールラウンダー対決で、「国内ライト級最強を決める一戦」と言っても良い試合です。
武田選手(26)はMMA戦績13戦12勝1敗のオールラウンダーですが、国内トップクラスのレスリングスキルを持つレスラーでもあります。
レスリングはもちろん強いのですが、ボクシング戦に持ち込んで判定勝ちを狙うこともできるストライキングスキルも持ち合わせています。
さらにここ2試合、国内ライト級トップクラスの川名選手、久米選手を立て続けに破って勢いに乗ります。(僕の判定では川名戦は負けていましたが)

川名選手と対戦した武田選手
一方、矢地選手(31)はMMA戦績33戦22勝11敗のオールラウンダーです。
何と言っても前戦の川名戦までは6戦1勝5敗とドン底に落ちてからの、川名戦で完璧な復活劇が印象的でした。

RIZIN.29で躍進した矢地選手
元々フィジカルに優れた選手で、フィジカルと技術を「整理整頓(”【試合分析】RIZIN.29 注目2試合のPoint(2021/6/27)“参照)」してバージョンアップしたファイトを見せてくれました。
どちらも国内ライト級トップ選手でありながら誰が見ても最強とは決して言い切れず、さらに外国人も入れるとホベルト・サトシ・ソウザ選手やトフィック・ムサエフ選手にはまだまだ勝てるようには感じないのも事実です。
逆にここで圧勝してRIZINライト級トップと認めさせるいい機会かもしれませんし、負けた選手は大きく格を落とすことにもなりかねないかなりシビアな試合と捉えています。
だからこそ1ファンとしてはかなり楽しみな一戦です。
「整理整頓」後の矢地選手が現在、どこまで強くなっているのかが分かりませんが、最近までは不安定であったのは間違いなく、武田選手の細かい打撃とタックルとスタミナにどこまで付いてこれるかがポイントになると見ています。

かなり難しいのですが、武田選手の判定勝ちと予想します。
以上、RIZIN.30のワンマッチ4試合を予想をしました。キャッチーあり、マニア好みありの盛りだくさんで予想も良いですが、観戦が楽しみです!
次回、RIZIN.30のバンタム級トーナメント4試合を予想します!
それでは明日もロジカルに!
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