ABEMA「格闘DREAMERS」最終回
こんにちは、ロジカルMMAです!

今回は、これまで継続的に書いてきた「格闘DREAMERS」最終話をまとめます。
これまで100人前後いた参加者は12名まで篩い落とされ、残すところ最終選考試合のみとなりました。
最終選考試合は8試合です。
1~4試合は「格闘DREAMERS」参加選手8人の潰し合いマッチ、5~8試合は「格闘DREAMERS」残り4人がそれぞれ外部の選手と対戦する外的迎撃マッチです。
9話では1~3試合が放送され、最終話となる10話では4~8試合が放送されました。
※参考:9話の記事はこちら↓

4試合目 高木オーディン祥多 選手 vs 八木敬志 選手

左)高木オーディン祥多 選手、右)八木敬志 選手
4試合目は名門東海大柔道部出身の「高木オーディン祥多」選手vsラグビー花園出場経験を持つ「八木敬志」選手の一戦です。
両者の過去の対戦は2戦とも高木選手の一本勝ちで、さすが名門大柔道部というグラウンドスキルを見せつけていました。
今回は序盤から八木選手がパンチラッシュで高木選手からダウンを奪い、そこからパウンドラッシュで秒殺勝利を収めました。
また自らのマッチョキャラを活かしてか、通常ではあり得ない両手を合わせた状態でのパウンド

両手パウンドとでも言うのでしょうか(笑)
を連打しました。
勝利だけでなく選考も見据えた八木選手らしいアピールだったと思います。
この圧巻秒殺劇は審査側からはどのように映ったのでしょうか。
5試合目 漆間將生 選手 vs 吉村海飛 選手

左)漆間將生 選手、右)吉村海飛 選手
5試合目以降は外的迎撃マッチとなります。幼い頃から父親からDVを受け続け家族を守ることをモチベーションとして格闘技を始めた「漆間將生(うるしましょうい)」選手(格闘DREAMERS)vs MMA界の超名門・慧舟會所属で極真空手&アマチュアDEEP&アマチュアパンクラス優勝者の「吉村海飛(かいと)」選手(外的)の一戦です。
吉村選手が輝かしい実績を持つこともあって、吉村選手の師匠で元MMAトップファイターの「大沢ケンジ」氏は「(このマッチメイクは)大丈夫なんですかね(笑)」と不敵(挑発的に)に笑うほどでした。
試合が始まってみると、ド根性スタイルの漆間選手が吉村選手をケージに追い込む展開が続きます。
しかし、そこからテイクダウン等に持ち込む展開を作ることができません。
一方の吉村選手は金網に押し込まれるもののテイクダウンはさほど許さず、時折有効打を当てていきます。

実は「前に出て押し込んでいく選手」と「押し込まれるけどたまに有効打を当てる選手」の構図はプロでもよくあり、前者の積極性を評価するのか、後者のダメージを与えたことを評価するのかで判定がよく議論になります。
果たして今回のジャッジはどう評価を下したのでしょうか?
やはり判定は割れて2-1のスプリットデシションで吉村選手の判定勝利となりました。
漆間選手は確かに「前に出るという意味での積極性」は良かったのですが、「相手を仕留めるという意味での積極性」が欠けていたようにも見えます。
選考がかかった試合ならなおさらもう少しアピールが欲しかったところです。
6試合目 齋藤奨司 選手 vs 田嶋椋 選手

左)齋藤奨司 選手、右)田嶋椋 選手
6試合目は、既にプロ修斗でも実績がある「齋藤奨司」選手(格闘DREAMERS)vsアマパン優勝者の「田嶋椋(たじまりょう)」選手の一戦です。

結論から言ってしまうと、プロ選手の齋藤選手にアマ選手の田嶋選手が圧勝しました。
この試合で皮肉にも、「格闘DREAMERSの選手ではない」田嶋椋という21歳のアマチュア選手の可能性を大いに感じることとなりました。
試合内容は序盤から田嶋選手がテイクダウンを決め、齋藤選手が立ち上がりそうになる際の展開でも捕まえて再度テイクダウンを奪い、さらに上からパウンド地獄、最後はガッチリ腕ひしぎ十字固めで一本勝ちを収めました。
田嶋選手は積極性といい粘り強さといいかなりいい選手だと思いましたし、既に確実にプロのレベルに達していることが分かりました。
7試合目 宇佐美正パトリック 選手 vs 日高健太郎 選手

左)宇佐美正パトリック 選手、右)日高健太郎 選手
7試合目は大注目のセミメイン、全国アマチュアボクシング6連覇の「宇佐美正パトリック」選手vs 山本KIDに憧れてMMAを始めた元喧嘩屋の「日高健太郎」選手の一戦です
日高選手はパンチ、キック、テイクダウンを織り交ぜ、MMA経験で上回っているところを見せます。
しかし宇佐美選手は冷静に見定めて時折強烈な前蹴りで日高選手を倒していきます。

宇佐美選手はボクシング出身ということでパンチが強いのは分かっていますが、ここまで安定した前蹴りを放てるのは今後MMAで戦っていく上で非常に大きな武器であると感じました。
日高選手も手数を出して攻めていきますが、攻撃力では宇佐美選手が大きく上回っており最後はパンチでKO勝利を収めました。
多少実力差があった気はしますが、格闘DREAMERS側とすると日高選手も攻撃的なので、試合としてはバチバチの打ち合いが起こるいい試合、いいマッチメイクだったと思います。
8試合目 中村倫也 選手 vs 新井拓己 選手

左)中村倫也 選手、右) 新井拓己 選手
8試合目も最注目のメイン、U-23(23歳以下)レスリング選手権王者「中村倫也」選手vsレスリング出身のプロMMA選手「新井拓己」選手の一戦です。
レスリングの世界的エリートの中村選手に対して、レスリング時代に中村選手にボコボコにされていたがMMA経験でははるかに上を行く新井選手という構図です。
レスリングでは勝てなかったが、打撃、関節技のあるMMAでは負けるわけにはいかない新井選手に対して、レスリングだけでなくMMAでも中村選手が凌駕してしまうのかに注目が集まりました。
試合は、互いに軽めの打撃を交換して様子を伺います。
すると開始30秒、中村選手が僅かに沈んでからバズーカのような左ストレートをクリーンヒットさせ、パンチ連打でダウンを奪います。
何とか立ち上がった新井選手ですがダメージは明白で、最後は豪快な左フックで中村選手が1RKO勝利を収めました。
このレベルになってくるとレスリング技術を直接出さずとも「その存在だけで」効力があるため(いわゆる”懐刀”)、打撃戦でも優位に立つことができることが分かります。
※過去記事の「懐刀」参照↓

いよいよLDH所属合格者の発表
オーディション最有力選手である宇佐美選手、中村選手の圧勝により「格闘DREAMERS」勢は2勝2敗のイーブンで外的迎撃マッチを終えることとなりました。
そして残るはオーディション最大の目的、「誰が選考を合格して所属を勝ち取るか」です。
試合を終えた12選手がケージ内に集まり、遂に監督「高谷裕之」氏が合格者を発表する時が来ました。
場が静まり皆固唾を飲んで結果を待ちます。
そして高谷氏から発された一人目の合格者、それは「中村倫也」選手でした。
文句なしであり大本命過ぎる中村選手の合格に意義を唱える人は誰一人いないでしょう。
そして二人目の合格者は「宇佐美正パトリック」選手です。
圧倒的な打撃スキルで魅せる試合をできるスター候補の合格も皆納得の内容でしょう。
三人目は、と思ったところで合格者は二名のみとの通告がありました。

確かにこの二人は他のメンバーに対して抜けているところもあり妥当な結果と言えるかと思います。
以上、最終選考試合が終わり二名の所属選手が決定し最終話が終わりました。
残念ながら所属選手がどのようなプランで今後育成されていくかまでは触れられませんでしたが、LDH主催ということで今の日本MMA界では最高峰の練習環境、サポート体制が整っていることは間違いないでしょう。
「どのタイミングで」「どの舞台で」「どの相手と」MMAで戦うのか本当に楽しみです。
最初から世界最高峰のUFCやアジア最高峰のONEでのデビューというのはないと思いますが、国内最大の舞台RIZINで地上波デビューというのはあるのではないでしょうか。

しかし完全に主観になりますがデビューは国内老舗興行「修斗」等で鎬(しのぎ)を削って逞(たくま)しくなって、その結果を持って大舞台に上がってほしいと思っています。
また余談にはなりますが
最終選考試合ではテロップに選手の体重が表示されていたのが良かったです。
これまで選手の体重に関する情報があまりなかったように感じていましたが、階級別で真剣勝負を行う上で体重は勝敗に大きく影響を与える要素なので、この辺がしっかりなされていることでより真剣味を感じました。
所属を勝ち取った2選手の大躍進、そして惜しくも勝ち取れなかった選手たちの大逆襲に期待するとともに、いつかこの選手達をどこかの舞台で生観戦できる日が来ることを期待しています。
それでは明日もロジカルに!
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